こども以上おとな未満な中高生たち。
抱えている戸惑いがあるからこそ、キラキラ輝いているのかもしれません。
母たちは、ほんとひやひやする時期ですよね。
ティーン脳・思春期脳の本音に近づくには?
殻を破るには?
大人はどう関わればいいかなと感じる時、大切な視点を思い出させてくれる羅針盤になり、中高生たちには一歩を踏み出すための力強いメッセージになると思います。
いわゆる代表的な「ミュージカル」の形式ではありませんが、音楽が寄り添った映画です。
創ることで自由になれる!青春×音楽映画『シング・ストリート 未来へのうた』
ミュージカル好きには名の知れた音楽映画の名手ジョン・カーニー監督作品。
舞台化されトニー賞に11部門ノミネートされ、来日公演も果たした前作の「ONCE タブリンの街角で」に比べ、この作品は知るひとぞ知る作品ですが、音楽とストーリーの両方を味わえる映画の傑作です。
80年代音楽ファンには、音楽にも映像にも多くのオマージュがあって、たまらない映画。
14歳の主人公コナーが音楽を通じて自分を知り、自由を獲得していく描写が素晴らしい。
自分の手で、生み出す高揚感の表現が最高。
わたしのオススメポイントは「兄のあり方」です。
思春期の感じている閉塞感に、適度な距離で、でも、強烈に寄り添う。
主人公に圧倒的な知識でもって俯瞰的で冷静な視点で関わります。
カーニー監督と今は亡き兄との自伝的映画ということもあってか、兄の存在が際立っています。
ストーリーとしては、自らの叶わなかった想いが溢れて、冷静さを欠くところで涙腺崩壊!
暴力的なシーンなどもあるので、RG-12指定です。80年代アイルランドの閉塞感は、現代の「自分がどうしていいかわからない」と悩む中高生にも通じる部分があると思う。
中学生は歌おう!青春×合唱の音楽映画『くちびるに歌を』
NHK全国学校音楽コンクールの課題曲となった「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」の作者であるアンジェラ・アキさんのテレビドキュメンタリーをもとに小説化された作品の映画版。
勇気を失うな。
チェーザレ・フライシュレン(訳 山本 有三)
くちびるに歌を持て。
心に太陽を持て。
タイトルの元になっている詩の中の言葉は、本当に心に染みます。
同時期に、「表参道高校合唱部」というテレビドラマも放映され、元合唱団員のわたしにとっては喜々として合唱ブーム?を喜んだものです。
五島列島が舞台。
日本の田舎を舞台に歌うことにエネルギーをそそぐ中学生たちが、音楽に触れながら日常に抱える問題に立ち向かっていきます。
ハイスクールミュージカルやGleeのようなミュージカルドラマも魅力的だけど、
「日本の田舎」が舞台となっているのが染みる!
学校という枠。
偶然出会った訳ありの大人との触れ合い。
苛立ちながらも成長していきます。
わたしも主人公と同じく自分が教育者とは思えず、苦悩した日もありました。
しかし、大人はこどもと触れ合うことを恐れず、自分のできることで悩みながら対峙していけばいいのだと気付きます。
もちろん、無策はダメですが。
こどもたちは、触れ合うことから力強く学んでいくのですね。
アンジェラ・アキさんの「手紙〜拝啓十五の君へ」も素晴らしいのですが、なんといっても最後の大円団で合唱される「マイ・バラード」がいい。
わたしも合唱コンクールで歌った歌。抽象的で大きな歌詞で現実味がなくてポップじゃなくて。
でも、みんなで合唱することで、世界観が響くんですよね。合唱っていいなと思わせてくれる一曲です。
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