プロの演劇活動でも行われるシアターゲームは、遊びの要素から、心と体を解放させ、場の温度をあげ、これから一つの舞台をつくるメンバーを知るために大切なものです。
シアター・エクササイズの目的
言語的な表現は、仲間との基本的な関係性に基づく心理的・身体的な準備状態のもとで可能になる。丁寧なアイスブレークを行った上で実践されなければならない。(中山,2018)
と実証されたように、特にプロジェクト最初の段階ではとっても、重要!と考えています。
20分の運動は脳の働きを以下のように高めるということが実証されています。
運動をはじめると、脳がストレスを認識し、心臓の負荷が増えるにつれ、以下の物質が分泌され、頭がさえ、気分が高まるというデータが出ているのです!
たんぱく質で、メモリーニューロンに対する保護と回復の因子を有すBDNF。リセットスイッチのようなもの、そのためクリアになったかのような気分になる。脳内の記憶力を司る部分を刺激することができる。苦痛な気持ちを防御し、高揚感すら促すものエンドルフィン、活動性がアップするノルアドレナリン、幸福感に関係のあるドーパミン精神の安定や安心感や平常心、頭の回転をよくして直観力を上げるセロトニンが分泌される。
特に、セロトニンは、リズミカルな運動ほどよいので、簡単なリズムを刻むものや、歩くエクササイズなども良い。
その状態は1日程度持続するという!
十分、からだを動かした後のワークは集中力がやはり違います!
こどもたちが解放感と集中力を高めるため、必ずウォーミングアップをいれるが、プロジェクトの序盤は、だれもができる楽しい、失敗を楽しめるような遊び、そして後半は、舞台に向けてのトレーニングを兼ねたもの、というように調整しながら組んでいきます。
また、本番が近づき緊張感がある中でも、また遊びの要素が多いものに戻って、懐かしさを感じあったり、楽しさや安心、一体感を味わうなど、それぞれ意図をもってデザインすることができます。
心理的安全性というチームビルディングとしての要素への貢献はもちろん、様々なテーマや問いの持ち方で、参加者の創造的思考を広げていく、使っていくことができるもので、大切な位置付けです。
シアター・エクササイズでの共通した確認ポイント
1)熱量
場がワクワク感が加速しているか?全員できているか?
最初は大人スタッフによって主導される。どんな場所なのか?どんなことが起きそうか?がわかるような内容を設計する。全員の笑いのうずが起き、目が輝き、場が加速していくようになることが大切。もし一つ目のワークでそれができない場合には、計画変更し、そこにいるこどもたちの状態に合わせる。
2)自己肯定と他者肯定
こどもたち主導の遊びになっていくか?
最初は大人スタッフによって主導されるが、こどもたちの関係性やワクワク感が一定に達すると自分たちで行うようになり、さらに進化させていく。ワーク中もだが、日常的に遊びがたりていない時は、遊びが終わらない時もある。基本的には発散しきるまでやらせるのも大事。ただ、ここはみんなで創る場であるということを良いタイミングで気づかせる必要がある。(大人が介入せず遊びの機会が少ないと言われており、遊び方も指示しないとできない場合が確かに多い。そのため、自分たちで遊びをやっていいか?もっとこうしようよ、という状況が訪れた現場では、最終的に到達目標のレベルが高かった理、大きな気づきに至ることが多い)
失敗できるような遊び(気付き、チャレンジがある)遊びか?
失敗することがあるようなものを選ぶ。思いっきり言い間違えた、ルールを間違えた、なんでも間違える、失敗するということをいっぱいできる機会とし、創作のワークや舞台本番に向けて、プロジェクトが本格的に開始しても、どんどんアイデアをぶつけてチャレンジできる土壌にする。(「失敗しないように頑張ろう」という声がよく聞かれたりする、そういうプレッシャーから解き放たれて、創作・演じることに触れてもらいたい。)
多様性と共通性への気付きがある仕掛けがあるか?
ひとりひとりの考えの違いがわかりやすく現れるもので違いがあることがわかるように設計する。それぞれのアイデアやキャラクターの面白さをひろいあげ、集団の共通認識をつくる。
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